百合とBLのクィアベイティング性について(その1-①)【配信再録】

 まだ、あのー薄暗いままです。なんかね新しいライトつけるのはちょっと怖いので、薄暗い感じなんですけど。
 なんとかキッチンの方とかユニットバスから漏れてくる光を下にお話ししております。コメントしても差し支えない人は「聞こえてる~」とか教えてください。

 前々からちょっとクィアベイティングの話はしたかったんです。これ話そうと思ったきっかけが、多分半年以上前になると思うんですけれど。あのポカリスエットのCM、結構話題になったことがあるじゃないですか。あの結構セットにもお金かけてて。女の子が、まあポカリスエットといったら女子、女子高生。制服女子高生ですよね。その制服の高校生と思しき子がお花ざかりの学校の中を走って行って。最後に体育館かなんかなんかで女の子同士、手を取り合ってくるくる回ってEND。というのがありました。それをツイッター上でゲイの男の子と「なんかあれいいよね」って話した時に、私は「ちょっとあれ微妙なんだよね」、「ちょっとクィアベイティングじゃね」みたいな話になって。それはその時でふわっと終わっちゃったんですけど。

(あと喋りやすいので、適当にコメント入れてくれたほうがありがたいです。最近、某Mちゃん、ツイッターで相互フォローしてて、ゲーム配信してるんですよね。で、私一人がこうやって配信してる時にコメントあったほうがやりやすいからと思ってコメント入れるんです。けど気がつくとね、だーっとね十何行以上下手すると数十行私のコメントだけで。「これちょっとやばいんじゃないか」と思っていて。この間、Mちゃんと会う機会があって。どっちかって言うと呼び出し、って感じだったので。あのー何でしょう。えっと、呼び出しで「ちょっとアレだと困るんですけど」とやんわりと言われるのかな。って、ビクビクしながら出かけて行って。別にそれはそうじゃなくて、かわいそうな動物の私にご飯をおごってくれるだけだったんですよ。)

 さて、きっかけのもうひとつ。去年のワタシのプッシュマンガ作品のうちで「作りたい女と食べたい女」ってあったじゃないですか。主人公がまあ古い分類ですけど恐らくレズビアンかなっていう感じ。売れてるいわゆる「百合」っていうカテゴリの中では久しぶりにこう「Lのためのマンガ」と感じられるものだったんですよね。ただフォロワーさんに指摘されたんですけど以前に書いてたのがBLで、セックス描写とかもかなりあって「ゲイ表象をちょっと性的消費してる部分が強いんじゃないか」っていう指摘をされて。
 あの作者(ゆざきさかおみさん)トータルとして(過去にさかのぼって別作品も含めて)100%罪がないって変なんですよね。あり得ない。あの作品(「作りたい女と食べたい女」)でも100%政治的に素晴らしく誰も傷つけない表現っていうのはちょっと無理ですよね。で、その上でどうしたら……あの安っぽい言い方なんですけど、「より良い表現」ににじり寄るれるのか。を、考えたい。なんか簡単に「そっち」(ポリティカリーコレクト100%)に「ハイ、行きます!」みたいにはならないので。
 「にじり寄る」って言葉をね、考えたい。

ちょっとカフェラテでも飲みながら話していこうと思います。

 今日は「100%の表現」ってないよね、っていうのと、どうやったらその「より良いっていう表現」ににじり寄れるのかということを前提としつつ(クィアベイティングの)話をしたい。ので、今日はたぶんその1で終わっちゃうと思います。
 これはシリーズでパート3くらい行くかなって感じです。

 実は去年、結構本を処分しちゃったんです。なので本当はこの話も実際に持ってるマンガとかを例に取りつつ話せたら良かったんですけど。手元に残るのって表現としてより良いポリティカリーコレクトな方のマンガなんですよ。ウェブで売れてるとか、店頭で平積みになってたとか、ちょっとエッチそうとか。そういうフックで買った本って残らないので。今、私の書棚にあるBLは優等生な感じなのだけが残っています。「ちょっとあのー、これは駄目なんじゃない?」って批判っていうか対比させるために。「これは同意なしのセックスとかポリティカリーコレクトとして弱いんじゃないの?」っていうものとして実際に提示できたら良かったんですけど。またの課題で。

 でですね、話は元に戻るんですけど。「百合」のクィアベイティング性。この話をするときツイッター予告でキュキュッと「クィアベイティング」って書いちゃったんですけど。なんか一般的な検索したら、日本語でまとまって「これがクィアベイティングです」っていうの解説を見つけられなかったんですよ。(論文検索ならあるかもしれない)
 どっちかっていうと海外のセレブニュースみたいなやつの中で、セレブが軽率にやった「女同士でキスしてみた」が非難される時にクィアベイティングだって言われるのを見かけるかなと。ワタシなりの解釈だと実際はクィアではないとか、クィアである実態?が全くない人とかが商業的にクィアであることを匂わせたりする、みたいなことをクィアベイティングっていうんじゃないかなと思ってます。

 もともとなんかベィティングっていうのが何でしょう。釣りのルアーとかのウニャウニャウニャウニャってなってるやつをベイトって言うじゃないですか。ああいう「おびき寄せる」ようなものの事いうみたいなんですけど。というのが大前提にしてて、ワタシのこの解釈もしかしたら間違ってるかもしれない。(ごめんなさい)
 なんか日本で、まとまった用例がなんか見っかんないんですよね。
そもそもなんかクィアという言葉自体がまだ浸透してないっていうか。クィア自体が……定義。こういうものに定義ってね。もともと変態って言葉ですから。変態にね、かっちりした定義がないんですよ。
 なのであのクィアベイティング自体も、あんまりかっちりした定義が馴染まない言葉かなとは思います。


 まあなんですよ。一昔前のt.A.T.u.みたいなもんだと思えばいいと思います。で若者はt.A.T.u.知らないよね。あのロシア初?のあのクィアベイティングガールズ2人ユニットです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/T.A.T.u.

 クィアベイティングなんですけど。ポカリスエットのCMとかを例にとっても、あの「百合」っていうあの装置で消費者を引き付けるっていうことは割とカジュアルにされてると思うんです。最近ワタシのアンテナでちょっとざりざりざりってちょっと嫌な音を立てたのがそのポカリスエットのあのクルクル回るCMだったんですね。その百合がそういうふうにクィアベイティングである……。これをクィアベイティングって言っていいのかどうか、っていうなあの議論もありと思いますけどそれはとりあえず置いといて、ワタシの中でクィアベイティングなのでちょっと話を先に進ませます。
 で、男の子同士だとそういう風に同性愛のような姿を借りて、ポカリスエットのCMで出てくるっていうことがまあないですよね。その時ワタシの相互フォローさんもが言ってたのは「男子高校生というと洗濯物がいっぱいで、とにかくたくさんご飯を食べるだけで。なんか男子高校生だってクルクルしてもいいじゃないか!」って。ワタシはなんかそうだそうだって「男子もぐるぐる回れ!」って感じでしたが。
 実際にくるくる回るのって女の子二人なんですよね。くるくる回るだけなのでこう百合とかガールズラブみたいな言葉はCMの中では一切使われていないですけど。
ただ、視聴者は勝手に女の子同士の友情だと受け取ったり、勝手にレズビアンだと思って勇気付けられたり。若くてきれいな女の子二人の表象。そういう同性愛的な表象って、絵になるっていうか……。なんか金になるんだなって。金になるんだなって(2回言った)。つくづく思いました。
 そして、その類のきれいな表象が「百合」っていうジャンルの中で、どんどん強化されていると思うんです。百合っていえば女性間の同性愛的な表象である。っていうのを社会的な「LGBTとか言われるような人・もの・動き」とかと結びつけない傾向がすごく強くなってきてると思うんですね。

 でも結局は「百合」って女性間同性愛表象を使っちゃってるっていうのは事実です。
なんかそれは美しいカップルだろうとワタシみたいな50代シングルなワタシも同性愛表象。表象の一部ではありますし、間違いございません。

 で、どう転んでも「百合」は同性愛表象であることには違いがないと思うんですよね。で、オタクっていうかそういうフィクションの物語を好む人がよく言うのが「ファンタジーと現実は別物」っていう言い方をするんですけれども、じゃあ何で現代日本の実際にあるようなあの書割めいた、あの物語の組み立てで、実際にいる女性二人のような姿を借りてあの表現をするのだろうか?っていう。
「好きだから理由はない」ってというかもしれないですが、好きだったら、好きだからこそ、そこに絶対理由があるんですよ。うん。

 で、ポカリスエットのCMね。フォロワーさんの周りでも議論してました。そういうのがどんどん表に浮かび上がってくればいい、みたいな。ワタシの観測範囲が悪いのかもしれないけれど、そういう議論があんまり表立って議論されなくって。なんとなく「いいCMでしたね!」で終わっちゃって。「えー!?」みたいな。

 で、元に戻ります。
 ファンタジーだろうと何だろうとやっぱり同性愛表象っていうものを使ってるのは違いがない。現実とやっぱり繋がってるんですよ。ワタシはね、一時期まではツイッターのトピックをフォローすると自動的にそれに関連するツイートが流れてくるっていうのあるじゃないですか。それで一時期ちょっと「百合」っていうのをフォローしてたんですけど。もう「ヤバいね。気持ち悪いね」みたいなが多くて。
 気持ち悪いっていうのって、別にあからさまなセックスシーンがあるとかじゃなくて。これが男女間だったら超ドン引きみたいなやつが普通に消費されていて。


 例えば「女性上司と」って。これも女性上司っていうのは変な言葉。男性の上司って無徴なんだけど上司に女ってつけないと、それを表せないっていうの。すごくあの女上司ってのはジェンダー的にね興味深いというか、あのアレなんだなっていうふうに思うわけなんですが。

 また話がずれました。
 その女上司と新入社員みたいな関係性でその上司の方がその権力を盾に取って、一緒のプロジェクトになるように仕組んだりとか出張で「あっ、間違えちゃった」とかってツインやダブルの部屋になるように仕組んだりとか。いやマジで気持ち悪いじゃないですか~。
 あと学校の先生と生徒とかね。権力の濫用以外にも「普通に犯罪ですよ」みたいなやつが多い。人並み外れて執着心が強い、ストーカーみたいな。気付かれてないだけのストーカーみたいなのが「純粋で一途な女の子」っていう描き方されて。「百合って無法地帯!」と思えるようなのが散見されてしまって。


 それから「女からセクハラするなら大丈夫だよ」みたいな作品ね。ちょいちょいありますよね。

 そして、百合は女なら(セクシャルハラスメントも)無罪っていうのを、かける、女の二乗みたいな感じで、ヤバさも二乗!もろに犯罪!みたいなのがありますよね。例えば、「酔っぱらっているから持ち帰りOKでセックスもOKだよね」、って……OKなわけあるかああ! でも本当そんなんですよ。
 もう百合、犯罪行為が横行しています、百合創作。そういうのをね見慣れると界隈そんなもんだからいいんだみたいな感じになっちゃうかもしれないですけど。いやいやいやいや。表象(に参照)されているこの現実の生身の人間たちってどうなのよ、と。

 百合って「百合姫」とかがね、「百合姫」じゃない。創刊する前に「百合姉妹」ってあったんですよ。4号だけで終わったけど。あの「百合姫」が創刊された頃とかって、当時当事者の作家さんがいたんですよ。そうするとまあ表現も当事者が読んでもキモくないっていうか、勇気づけられるような、「こんなのあるある」みたいな話。そういうのがあったんですよ。うん。
 それが「百合姫」も時代が下ってくるにつれて変わってきて。戦犯は基本的に「百合男子」だと思ってるんですけど。男子目線の「百合」も増えてきて。最近はホントにキャラクターがめちゃめちゃ「バ美肉」なんですよ。あのバ美肉って言ってもワタシのフォロワーさんだと知らない人がちょっと多いかもしれないですけど、「バーチャルで美少女に受肉」の略で。美少女のアバターでVチューバーするとか。(見た目美少女だけど)中身はおじさんだったりするのです。
 百合をやってるんだけれども行動原理とか言動がめちゃめちゃおじさんが女子高生というスキンをかぶってくちゅくちゅイチャイチャしてる、っていうね。……イチャイチャの前にクチュクチュって言っちゃった。

 なんかさあ、もうさ、おじさんなんだよね。ほんとね、女子高生同士なのに何でこんなにとってもバ美肉おじさんなんだろう……みたいな作品が。増えたなと思ってます。あとはR18でもないのに百合はカジュアルにエッチなものだからみたいな感じで。ストーリーの中で「ちょっと早くない?」という段階でエッチなことをしてラストにもう一回みたいな。いやいやいやいやいや、せめてR18にして。みたいな感じなんですよね。(エッチを描くことは否定しません。キリッ)
 バ美肉に限らず界隈で好まれる表現っていうのがあって、こないだ「百合姫」の初期くらいの頃から描いているあの漫画家さんがいて、絵柄変わったの。前はしゅっとした感じの等身の高い感じの絵を描いてた人なんですけど。丸っこくなってて、めっちゃ巨乳になってて、顔の造作とかもちょっと幼くなって。えーこの人こんな絵を描くようになったんだって驚いて。ちょっとね、怖い感じがしました。

→1時間半話したうちのアタマ30分。 2022.3.21配信

 あまりにも本筋から外れた脱線の省略、話を追うのに必要な補足、話の筋の錯綜の編集、冗漫な繰り返しの削除など、手を加えております。話の途中なので伏線回収もあるよ。
 まだまだ続くよ!

追記:「作りたい女と食べたい女」はポリティカリーコレクトに寄ってるがゆえにいろんなものを背負わされすぎだと思います……。

そろそろ復活の狼煙

 約2年、放置だったこのサイトですが、また再稼働しようと思います。(無駄にサーバ代払ってるし)

 以前は厳選コンテンツを「書き切れたー!」という満足とともにアップしていたのですが、それはあまりにハードルが高い。なので、ツイキャスでの配信(始めてるし)の再録、日々徒然のライト版を上げていこうと思っています。まずは配信のテキスト化ですが、いまは良いソフトがあるんですね。YouTubeの配信の中の人をやってるお友達にソフトも教えてもらいましたので。

 テキスト化にあたって、一番のネックになっているのは自分の声を少しでも聞かなきゃいけないということ。こうやって書いている文章の方が赤裸々なのに声には妙な近さがあります。

 まあ、がんばって更新するけど!

モノガタリは現実を喰らう

 よく言われる「創作と現実は違う」ってあるじゃないですか。基本的にオタクの自己弁護の文脈で。ワタシもいい加減オタクな人間なのでオタクたたきがつらい時もあるのですが、ここら辺の創作と現実をすっぱり切って分ける手つきには違和感感じることがあるんですよね。

 「創作と現実が違う」ことの引用として使われるのってゲイ漫画家の田亀源五郎氏のサイトのトップに出てくる「現実と妄想の違いを認識せよ!」ってバナーなんですけど(引用させていただきます http://www.tagame.org/)、ここでの「違い」って創作物に出てくるアンモラルな行為(同性愛がじゃなくてプレイとしてのBDSMの中でも危険な行為)を現実に持ち出して事故とか起こしちゃダメだよ、というもの。ワタシ自身はそういう風に解しているのですが。ツイッターでは恣意に解釈して「二次元と現実は違う(から妄想無罪)」というカンジで非現実的なゲイファンタジーをベラベラ開陳している腐女子(差別的な表現ですけどあえて)がいて、いくら解釈は自由とはいえそれはちょっと……、と思ってしまうことありました。(なぜか様々な表現が打ち寄せられる我がツイッターTL)

 妄想が妄想のまま保持されている分にはいいのでしょうけど、大体が何らかの「表現」として社会に漏れ出してきて現実として現出してきてます。その目の前に「析出されてきたもの」は現実に本当に影響を及ぼさないのだろうか、というのが今回のエントリのキモ。

 で、個人的には「残念ながら創作は現実に影響を及ぼす」と思っています。というのも、わりと大っぴらに自身の「レズビアンである」というセクシャリティを公にカムアウトするようになって再三再四、再五再六……、数えきれないほどシスヘテロ男性と思われる人々から「(性行為について)混ぜて、見せて」言われてきたので。現実にレズビアンが性行為に男性混ぜて「良かった良かった」みたいな話があるとは思えないので、どう考えてもポルノ創作物に影響されてるとしか思えないんですよね。しかも、「ちょっと気の利いた受け答え」かなんかだと思ってるので度し難い。で、こういうこと言うの男性だけじゃないんですよね、女性からも「3P要員」扱いされたこと、こちらは再三程度あるので。なんかさー、って感じです。

 ただ、ここで創作物を滅ぼそうとかワタシは思わないし(という気炎を上げた方が参照数上がるのでうれしい人もいるんだろうけど)、なんならゾーニングもヘタにやるとジャンルが滅ぶと思うんですよね。特に「百合」とか扱われているメイン年代がティーンなので、規制やゾーニングとして「未成年の性的描写」を一律で禁止すると「青い花」ですらゾーニング直行ですよ。

 昔話になりますが、昔「美粋(ミスト)」というレディコミあったんですよ。なぜか1冊まるごと「レズもの」のみという謎の雑誌。で、主にセブンイレブンで売られてたわけなんですけど。記憶は曖昧なのですが、東京都でレディコミに対して何らか締め付けがあった時に真っ先に廃刊になったんですよね。ゾーニングでコンビニ販売をちょっと厳しくするだけで消える表現ってあるんですよ。なので、簡単に「ゾーニング」持ち出すのも悪手になりえます。

 と、まとまらない話になりましたが、次回は「現実はモノガタリを食い潰すのか」を書きたいと思います。

ボディポジティブが分からない!

 そのうち詳細書くつもりではいますけど、ワタシは数年前からいわゆるダイエットに取り組んでいます。当初は健康診断で指導が付くくらいの軽肥満っぷりでしたので「美の規範」からの要請というよりは「健康」からの要請だったわけですが。(「健康という規範」という観点もありますが、ここではスルーします)

 ダイエットに取り組んで、食事を制限して筋トレ始めて、BIM(ボディマス指数)で標準体重域に入るのにはそんなに時間がかからなかったと思います。ただ、見た目の「感じ」にワタシは納得いきませんでした。それと、ワタシはもともとジムに行くのが好き。筋トレ継続して「納得のいく仕上がり」を求め始めました。……で、愚か者が陥りがちなことなのですけど、ワタシは筋トレ楽しすぎて当初の目標ではなくパワー系の競技スポーツを念頭に置いたトレーニングに重点を置くようになります。ボディメイクではなく全身の協調性を使って重量を挙げる的な。で、まだ大会には出ていないのですが、マスターズのカテゴリーなら出ても恥ずかしくないところまで記録を詰めてきました。(トレーナーはマスターズじゃなくて一般でも行けると言いますが、それは勘弁してほしい)

 と、競技を念頭に置いてトレーニングしてたのですが、ふと頭に浮かんだのが「階級制スポーツなんだから階級下げた方がお得」……ということで、従来の週2-3回のジム通いに加えて割と厳密な食事管理を始めました。具体的には1日1400kcal目安で摂取、タンパク質は60~100g目安というカンジで。すると、わりとするする体脂肪が削れてくるんですよ。ワタシには毎朝、鏡の前全裸で体重量るルーチンが存在するのですが(一喜一憂しすぎるので体重量るのはパスすること多い)、徐々に腹筋の縦のライン出てくるし、背中にもぬるい感じで鬼の顔が出始めるので徳の低い感じでうひゃってます。まあ、元々ボディチェックを「ナルシストタイム」と命名してたわけですが。

 でも、心の中で何かがささやくんですよ「お前はなぜありのままの自分を愛せないのか」と。確かにワタシは社会が要請するボディイメージに迎合している。(ちょっとマッチョ寄りだけど)でも、数年前の自分の体をありのままとして愛するのはかなり無理。できれば数カ月先の仕上がりをありのままとして愛したい。なので、半分イチャモンだとは分かってるのですが、「ありのままのプラスサイズモデルだってメイクしてんじゃん。ワタシの大殿筋だってボディメイクで練り上げた努力の結晶だよ!」とか小学生みたいなことを考えてしまう。ボディポジティブ運動は「社会における痩せ=美しいという規範」に対するアンチテーゼなのにどこに反発してんだよと。バカか。

 と、ワタシの中でそういうコンフリクトありつつも、全力を出して重いものを上げ切った時の原始的な喜びや鏡の前でうひゃれる楽しさが大勝して、ジム通いと食事管理続いてます。ジム通いは中断期間もあったけど2年超え、食事管理はちょうど4週間です(これ書いた時点、このあと2週間ほどスリップしてます)。筋トレやボディメイクは「何を目指してるの?」と言われがちなものですが、ワタシの中の理性を超える「楽しさ」のためにやっているとしか言いようがありません。万人にはお勧めしませんが、「身を焼く楽しさ」は確実にあるので、またこの辺のことは書きたいと思います。(特に競技スポーツについての考察など)

 それにしても、ワタシはボディポジティブへの理解が薄いし、根本的に分かってないのではと思うこの頃です。

災害とレズビアン その1

 ごたいそうなタイトル付けましたが、自分で編んでる非常持ち出し袋の中身をさらすというだけのコンテンツだよ! 19年の結構大きい台風が東京を直撃しそうになった時に必要性を感じましてね。台風待ってる時に雨戸閉めたり外に出てるもの仕舞ったりとやることやったらあとは暇じゃないですか。お友達とのLINEグループで非常持ち出し袋の中身をさらし合ったのがきっかけ。この時は手持ちのジムバッグにあれこれ突っ込んだだけだったのですが、ここから非常食とか少しづつ追加しています。まだ完成してないのでそこはご容赦くだされ。

 まず、ガワの袋そのものですが、これはアマゾンで新しく買いました。台風の時に暫定的に詰め込んだのはジム用のメッセンジャーバッグだったのですが。普段使いしてたらいざという時持ち出せないし。(台風なら詰める時間あるけど地震だったら即持ち出せないと)

アマゾンの履歴みたら2019年の10月に買ってますね 3699円 ちなみに右側にぶら下がってるのはフライパンです

 非常に備えるとはいってもどの程度の非常なのか、というのは大きい問題なのですが。自宅で3~5日持ちこたえることができる、もしくは近所の避難所で多少は快適に過ごせそう、なのを想定してます。で、今詰め込んでるのは下のようなもの。

 右上から時計回りに ①Tシャツとマスク3枚 ②生理用品 ③救急キット ④エアーマット ⑤ちょっとした口にするもの(ポカリスエット、ラムネ、干しいも、プロテイン ⑥アルファー化米6食 ⑦嗜好品セット(ティーバッグ、チョコ、砂糖など) ⑧ショッピングバック ⑨いなばの缶カレー×2 イワシのトマトチリ味×2 ミックスフルーツ缶 ⑩ウエットティッシュ ⑪食器かわりのお弁当箱と歯磨きセット ⑫なぜか入ってる紙皿とお箸 ⑬イワタニのシングルバーナー ⑭手ぬぐい2枚とメガネ2本 ⑮虫よけ

 何で入れてるのか分からないものもあるのですが、着替えをまだいれてないので入れなければというカンジです。実は着替えに何を入れるかが考え物で。季節ごとに入れ替えるべきではないかとか色々考えてます。まあ、3日分の下着と靴下は入れておこうかなと考えてます。

 例の10万円の使い道ですが、気にかかってたけど優先度低くてできなかったことに回すと良いのではー、とか思ってます。(で、シングルバーナー買ったので、お友達とちょっと高尾山でも行こうか、とか話してます)

 なんだかんだ、マイノリティは何かあった時に死にやすいんですよ。おそらく避難所も居心地悪いのではと想定されるし。ちな、生理用品入れてますが、ワタシはほぼ閉経してるので自分用ではないです。持ち出し損ねた近所の人や知り合いのFTMの子が困ってる時とかにこそっと渡せたらいいなと思って入れとります。

「ブス」という役割 その②

 何度もあちこちで語ってますが、1992年6月6日に「MONALISA」というレズビアン向けのクラブイベント(その後、改称して「GOLD FINGER」)に行ったのがワタシのレズことはじめ。で、これを皮切りに二丁目だの真面目なフェミニズムっぽい集まりだのに行き始めました。いま、ワタシは「つっちー」と名乗ってますが、最初から「つっちー」だったわけじゃなかったのです。このいわゆる「デビュー」当時は本名そのままの「ゆき」を名乗ってたんです。二丁目でよくレズが名乗る通り名というのがあるのですが、ジュンとかユウとかナオとか。それに並んで多いのが「ユキ」でした。どれくらい多いかというと表記違いでもオフ会行くと必ずダブりがいる程度には。

 と、たまたまダブりの多いゆきという名のワタシですが運の悪いことに同じころにデビューしたゆきちゃんがもう一人いました。そんでその子は活発だけど髪が長くてメイクもしてて今でいうフェムっぽい感じ。ワタシはというとショートボブにすっぴんでタチともネコともつかない中途半端な感じでした。ということで、その髪の長いゆきちゃんは「かわいい方のゆきちゃん」ワタシは「そうでない方のゆき」とほんのちょっとの間呼ばれることになって、さすがに嫌すぎるのでつっちーと名乗ることになったのでした。嫌すぎるというか、普通に傷つきますよね。

 おそらく、「そうでない方」と言った人は「かわいいほうのゆきちゃん」の歓心を無理にでもかいたかったのだろうなぁ、と今なら同情まじりに思うことのできるのですが。「タチがネコを選別しようとする」レズビアンのタチ/ネコ文化はなかなか馴染めませんでしたし(今も割と無理)、「典型的にかわいい女の子」であるというのは一般社会で結婚せずに生きていくのを困難にさせました。ので、合理的な判断?としてワタシは「ブスという役割」を引き受けてしまい、それが固定すること数十年。割と最近まで自分が「ブスである」という自意識を持ち続けていました。

「そうでない方」と言われてから約3年後 今見るとたいしてブスでもないと思うんですよねぇ……

 ワタシが「ブスという役割」を捨てたのはほんのここ1年かそこらの話です。ダイエット通じて美容にも気を使い始めて、「アレ? ワタシちょっとイケてんじゃね?」と思えるようになり。もう50歳も超えれば職場のやり取りの中で発生しがちな「異性との結婚」への誘導にもさほどおびえずに済むようになりました。二丁目でも恋愛市場から(不本意ながら)抜け出してるのでワタシをジャッジする人はもういない! ワタシは自由だ!!

 なので、たまーに行き会う感じ悪い古いレズがワタシをブス扱いしてきても、「パードゥン?」という態度取れます。自分を卑下しないで済むのって気分いい!そして、ブス扱いしてきたヤなレズが慌てたりするので。「やっぱりワタシのことホントはブスだと思ってなかったんじゃないか!」って思います。……この一連のワタシの経験、腐った分断統治カルチャーが一部のレズビアンにも浸透してた証左の一つだと思うのですが、レズビアン特有の「タチ/ネコカルチャー」と悪魔合体してたのでややこしかったですよね。(ネコの持つべきジェンダー表現からはみ出すけどタチじゃないのが「ブス」というカンジで)

 と、これだけ読むと、「レズビアンのルッキズムは厳しい! ひどいところだ!」とジャッジする他分野の人がいそうな気がしますが、恋愛からむところでルッキズムのない所は恐らくないし。ゲイのルッキズムに比べるとさほどでもないのではなかろうか……、と個人的には思っています。

 容姿をめぐる分断統治カルチャーですが、この呪いを祓うにはおそらく「ボディポジティブ」が一番のお札になると思います。けど、ワタシは違うルートで楽になったという話。どっとはらい。(これはマジでハッピーエンド)

「ブス」という役割 その①

 ちょっと前に志村けんが亡くなったじゃないですか。それで、YouTubeに違法アップロードのコントが大量に出たのですが。ワタシは「8時だョ!全員集合」の全盛期にコドモ時代を送ったので、親が見せてくれなくてもまあ、懐かしいなと。その懐かしさにつられて観てみたのですが、まあひどい。特に研ナオコへのブスいじりひどすぎてみるに堪えないコントが多かった。ナオコいじりもつらいのですが、それを見させられている当時旬のタレントが死んだ顔で笑ってるのがまたつらい。そもそもナオコはブスじゃない。標準より目が離れてて口が大きいのですが、小顔で痩せててオシャレ! って、それは「個性」というものでは? と、やはり違法アップロード?の「夏をあきらめて」を聞く2020年の梅雨、鬼レズ51歳。

https://www.youtube.com/watch?v=Q4m-Ju1PAQ4&list=RDMMQ4m-Ju1PAQ4&start_radio=1
「ブス扱い」されてたから目がくもってましたが、今見ると個性的でステキだと思います

 「ブスいじり」は現在も続いていて女芸人と呼ばれる人たちは「いかにうまくいじられるか」を競っているようで(ワタシはテレビを見ない生活をしているので最前線のお笑い事情にはうといのですが)。個人の選択というのはそうなのですが、女性に「美人/ブス」の役割を振って処遇を露骨に変えるカルチャーはあまり良いもののように思えないのです。

 「役割」と書きましたが、美人はともかく「ブス」の役割ってそれを名付ける人の恣意で行われるもので、あんまり現実の美醜を反映してないと思うのですよ。「ブス扱い」されてる女芸人の顔見ても大してそんなにブスには思えないし、なにより人目にふれる仕事してるからあか抜けてますよね。人によってはわりと好みだったりします。うん。なにより、路上でナンパかなんか断られた男が悔しまぎれに「ブス!」とか捨て台詞吐くじゃないですか。さっきまで「ワンチャンあれば……」とか思ってた女性によく言うね! って話ですが。

 で、ブスでもない女をなぜブスと呼ぶかなのですが。これ、分断統治の一種なんだとワタシは理解しています。ナンパを断った女性を「ブス」と呼ぶように「生意気」とか「ものを言う女」が「ブス」と呼ばれがち。そして、あからさまに粗末に処遇する。逆に「美人」はチヤホヤされるのですが目の前でブスが粗末に扱われているのを見せつけられてるので声を出しづらい。と、わりと良くできたシステムですよね。人の容姿への好悪はわりとプライベート領域に属すののでパブリックに問題としづらいですし。(例としてフツ顔なのにブス呼ばわりされる女芸人のこととか書いちゃいましたが、逆にフツ顔もしくは微妙なのに美人扱いされる役回りの人もいますよね……)

 本質的にはあまり変わりばえしない人間を容姿(実は現実の容姿ではない)で分けて物を言わせない腐ったカルチャーであって、ワタシはこれを有害なものだと思うのですが。それでも研ナオコと志村けんの夫婦コントの「なまたまご~」を見るとひきつけ起こしたように笑ってしまうのです。ホントにワタシってダメだなぁと思いますねー。

 ここまでは「男って最低!」ということで済ませて楽になるのが定石ですが、まあ古いレズとしてはこのカルチャーがやっぱりレズビアンにも染み込んでしまっていることを次回書こうと思います。(つらい)

二丁目レズビアンバーに魅せられて

 こないだはワタシのリブ活動事始めの「LABRYS DASH」の96年創刊号について触れましたが、ワタシが関わっていたのは1~5号まで。辞め(させられた)た理由はというと、内部の人間関係の悪化。わりとワタシは巻き添え食った形だったと記憶しています。当時は「そんなンひどいだろ!」と外部に訴えることもなく、担当していた人にもあいさつすることすら許されずにひっそり辞めたものでした。その頃は波風立たせずに「とにかくDASHに傷が付かなければ」と思ってたので、まあ健気でしたよね。ただ、ここで「追い出され癖」が付いてしまって、しばらく理由にもならないような理由で追い出されることが何回も続きます。ワタシ自身もあきらめが早くなって「ダメだこいつら」と思って気配感じた時点で消えたりするようになってしまいました。この辺はリブの暗部とも言えるかもしれません。

5号表紙 版型変わらずA5中綴じ ページ数はけっこう増えてて表紙込みの52ページに

 と、恨み節っぽくなりましたが、そんな薄暗い活動世界とまた別個で自分の持っている世界が二丁目を中心にして広がる夜のレズビアンシーンでした。活動に傷ついて訪れても夜の世界はいつも優しかったのです。

 というわけで、「勝手に作れば?」みたいな感じで特集記事作成が放り投げられたので、自分の趣味を貫いて、お助けスタッフだったiちゃんも巻き込んで作ったのが「新宿2丁目特集」。ワタシとiちゃんが掛け合い漫才みたいに短文をポンポン交互に書いているのですが。基本的にここから自分の興味や芸風がほとんど変わってなくて「ヒエッ」って感じです。とりあえず、魅力減じますが自分の文章だけ一部再録。ワタシの人生を大きく変えたKINS WOMyNについて。レズビアンの活動シーンを大きく変えたのは掛札さんでしたが、夜のシーンを大きく変えたのはKINSでした。ここからずっとワタシは新宿二丁目のバーシーンに魅惑され続けています。

伝説のと言っても過言ではないKINS WOMyNがトップ記事

KINS WOMyN

わたしは「初めてなんですぅ~」ということにして、いろいろ聞き込もうと企んだのである。もう何度行ったか分からないけど、細い階段を昇っていくときはいつもワクワクする。近づくにつれてダンスミュージックが大きくなり、ドアを開けると音とタバコの煙が頭から浴びせかけられる。その瞬間「つっちー!ひさしぶりじゃーん」……すべての設定は崩れ去った。Taraさん(注)にジントニックを注文しても、「最近よく見るね」。ああ、そうなんです。二丁目は初めてなんて言ったらエンマさまに舌を引っこ抜かれます。さらに奥には昨日もここに来ていた古い友人。奴は失恋したばかりなのだ。二日運続で会ってしまうという所がお互い実にトホホである。友人同士の近況報告やら新しい友人の紹介やら。人の噂話にあくまで憶測、有名人をみかけた話。どんどん人が増えていき、立ち飲みの人でいつばいの溝員電車状態。何だか知らないけれど目ざとい友人に「活動家のつっちーだ」と紹介される。何だそりゃと思うが、何をやっているかと興味を示す人もいる。当然、ダッシュのことを話すが反応がいいので調子に乗って映画祭(注)まで説明をする。ヤケになってサロンポジティプ(注)の営業まで始める。初心者どころか超ベテランって感じ。そんな馬鹿騒ぎの中でまだ慣れてなさそうで壁にもたれて一人で飲んでいる新人さんらしき子がいた。あれはX年前の私だ。みんな友連同士みたいで入り込めなくて。自分から声をかけるなんてできなかった。そんな私が「つっち一つて、どんなセックスしてるの?」と聞かれて、「知りたいんなら寝てみなきゃねー」と私は相手の肩に手を回したりするようになった。思わず遠い目をしてしまったわ。(原文注・Taraさん 店長さん。KINSの別名はTara’s Barという。 映画祭・今号の第2特集参照。 サロンポジティブ・本誌「アクティビスト通信」執筆の溝口さんが主催するサロンパーティー)

(1997年春号3月発行より)

 ひどい。ホントに芸風が変わってない。ワタシの新宿2丁目への思いは同人誌としてまとめている「東京レズビアンバーガイド」にたっぷり書いているので、そちらを参照してもらうとして。ワタシ、いわゆる活動家を長年やってて傷つけられることが本当に多かったんですよ。そんでも、夜の街はいつも優しくて慰められたものです。

 それにしても「活動」って難しいですよ。みんな善意で集まるのですが、方向性や方法論が違うとギクシャクするし、ボランティアだから能力差も隔たりがすごい。ここに金とか金銭以外のプロフィットがあればそれで右向け右ができるのでしょうけど、わりと最近までいわゆる「セクマイ」の活動は100%の手弁当のボランティアで成り立ってたのでそれもできなくて。活動の運営自体が手探りの、いろんなものがゼロからの時代だったと思います。ワタシ、いまだにつらくて思い出したくないことがたくさんあります。

東京セントリズムを脱するために

 地方に住んでいると感じる不満のひとつが「首都圏発の情報ばかり」というのがあると思う。マスコミにおいては本局がだいたい東京にあるし、勤めている人も首都圏出身者が多かったりして「地方」への視線は薄いか、情報を「吸い上げる」対象だったりすることが多いのではと思っている。首都圏で生まれ育つ、ということ自体が権力である、のですが。今回はそこの話はおいておいて、再録を起点にまた昔話をしたいと思います。

創刊号表紙にlesbian&bisexual womyn という表記が見えます 当時の主流表記ですね
表紙込み44ページの中綴じ冊子です それを隔月刊、スタッフ3人という無謀

 ワタシは96年に「LABRYS DASH」というレズビアン&バイセクシャル女性向け(※注1)のミニコミの編集スタッフを務めたときからが自分の「リブ活動」の皮きりだと位置づけています。が、その記念すべき第1号の特集が「つっちーの日本全国ビアン旅」だったのです。これ、この当時は「LABRYS」というミニコミ誌(掛札さん※注2 が主宰してたもので、LABRYS DASHは単なるここの後継誌)の影響で日本各地に当事者コミュニティ的なサークルがぽつぽつできていた時だったんですよ。で、ワタシが実際にそこへ出かけて行ってルポ記事を書くというもの。そのおかげか地方の人たちに「つっちーは地方への目配りのある人」という評価をいただいたのですが、ワタシの記憶ではスーパーバイザー的にダッシュにも関わってくれていた掛札さんに焚きつけられたような記憶があるので、掛札さんの慧眼のおかげだったよなぁ、と今は思います。(当時はアラサーかそこらの若い掛札さんにアドバイス受けるたびに「クッソババア」とか内心思う不遜な若者でした)

特集ページのトップ 広島のサークルの記事は再録してよいものか悩みますのでモザイクらせてください

 特集は広島のサークル「SOUL MATE」、京都のクィアスペース「アートスケープ」、京都大学の「プロジェクトP」、京都のメトロで開催のクラブイベント「CULB LUV +」、大阪の活動グループ「OLP」、大阪のDAWNで開催していたクラブイベント「LESBIAN NIGHT」と紹介が続く。ところどころに麻姑仙女さんや関西クィアフィルムフェス、ドラァグクイーンのメロディアスなどについてのコラムがはさまるボリュームある構成でした。本来なら地方のレズビアンサークルのルポを引くべきかもしれませんが、この頃のミニコミが会員制だったことなどを考えると安易にここに引いていいのか迷います。なので、そのころの当事者が見ても許してくれそうな……、ワタシが当時何を考えていたのか分かりやすい「アートスケープ」の一文を引きます。

京都の奇跡 アートスケープ

 京都大学に程近い木造の一軒家、そこがアートスケープ。
 関西セクシャリティ関連の4つの事務所(エイズポスタープロジェクト(A.P.P.)、関西の映画祭(Q.F.F.)等)が入っていてアーティスティックかつ質の高いものを発信し続けている。また、二階には宿泊所もあって私も二泊お世話になった。……なんて固い紹介は止めにしよう。業界梁山泊といった方がいいかもしれない。
 ゲイバイレズビアンヘテロにその他大勢がああでもないこうでもないと学校の部室のようにたまって雑談をし、マックをいじってポスターを作り、何だか無意味に寝泊まりする人もいるし真面目に細かな手作業をしている脇でただ漫画を読んでいるだけの人がいたり。どんな人が何をしていてもいいですよーという雰囲気。セクシャリティ自体を語るよりもいろんな人がいて(それが当たり前として)その中でどう話して手をつないでいくかが強いところだ。こういう所は東京にもないね。
 終電を逃したといっては別に4つのプロジェクトとは無縁な人もやってきて真夜中まで雑談して帰っていく。雑談にしておくのが惜しい冴えた話もある。それからプロジェクトが生まれてくることもあるんだろう。単に品のないお下劣な下ネタ雑談の時もあり……。すごく力のある真面目なことをやっているのに和気あいあいしてる!
「レズビアンだけ!」と、囲うことでクリアになる問題もあればアートスケープの雑多さで生まれてくるバイタリティーと視野の広さもある。
 私にとってはミックスを推し進めるのは人生の大命題の一つだったのにさ、こんな所がもう存在してたなんて。信じられないような気分だったよ。とにかく啓発されるところざます。近畿の大物はほとんどここにくる。

 と、熱のこもった文章書いてますよね、24年前のワタシ。このあと様々なことがあって、「きちんと考えて対策立てないでミックスやると力の弱い人が追いやられるだけになる上に、『ミックスやった』という言質を悪質な人間に与えるだけ」というのが分かってしまいました。安易なミックスやると一般社会のさらにミニコピー作るだけで人が死にます。つらみ。

 読み返すと、目配りの足りないところがたくさんあります。文章自体も「中黒じゃなくて三点リーダー使えよ!」とかあらが目立つので(さすがに中黒→三点リーダー、ハイフン→長音符に変更かけました)「26歳なんてこんなもんなのか」とかガックリ首が折れますね。といっても、このころのワタシの熱意は本物だったので(当然自腹取材で労力もすべてボランティア)。今の自分ならお小遣いのひとつもあげたいなと思いますよ。あの頃のワタシはレズ受けしやすい容姿だったしね!

 でも、この特集記事のルポを書いたおかげで日本のあちこちに知人友人ができて、それぞれの地方で活動のスタンスや「色合い」が違うことを肌で感じることができました。今現在、東京で成功している方法論をごり押しで地方都市に持ちこもうとする動きがあるというのも伝え聞きますが、何はなくとも活動は「そこに住んでいる人たちのもの」でなければならないと「ワタシは」思いますよ。

※注1 当時はLGBTとかクィアなどの言葉は一般的ではなかったので「レズビアン&バイセクシャル女性」という表記ががもっとも適当だったと思います
※注2 掛札悠子さん まさか掛札さんに注を入れなければいけない時代が来るとは思いませんでした。90年代にカムアウトしてメジャー出版社から書籍を出した人、であるにのみならず、ミニコミ出版、フリースペース創設、講演活動と活動の幅が広く、その影響は大変大きい。書き続けると本文より長くなるのでココ(http://onilez.hatenablog.com/entry/2017/09/20/215332)とか参考にしてください。ワタシはまさにポスト掛札を生きたレズビアンだったと思います。

ステイホームで買ってよかったもの(お気持ち編)

 ブログとしては長い文章になったのでちょっと無理してふたつに分けました。コレ、お気持ちなの?というものもありますが、お気持ちってことで。

①筋トレセット(リーディングエッジベンチ&アイロテック20kgダンベルセット)

本文ではベンチとダンベルあれば大体何とかなるとか言ってますが、ベルトやグローブやサプリメントあった方がはかどります

 ツイッターの方を見ている方には説明いらないとは存じますが、ワタシはしばらくダイエット&ボディメイクのためにジム通いをしていまして。ジム休館に伴い、せっかく練り上げた筋肉失うのも悲しいので。ベンチとダンベルあれば大体のことはできます。お友達がダンベルくれるというのでベンチを速攻でぽちりました。この後、筋トレグッズがどこもカラッカラに売り切れましたので、ワタシは運が良かった。男性だと片手10kgのダンベルは軽すぎると思いますが、女性ならぼちぼちの重さですね。これで最低限の健康保ててると思います。筋トレ自体のやり方についてはYouTube見るか何かしてください。(おそらくそのうち書くとは思いますが)ベンチはフラットベンチですが、足を折りたためるので場所はそんなに取りません。ダンベルもプレートを付け外しするものなので以下同文。それより、ワタシの部屋の「オメー、運動するような人間じゃないだろ」感強い中で存在感放ってるのを何とかしたいです。それにしてもジムの休館はまだまだ続くようなので、バーベルまで買おうかどうかと悩んでおります。(6月1日より再開の模様)

②電気ケトル&コーヒードリップセット(ドリテックステンレスポット&ハリオV60)

 家にいる時間が長いとなれば、ゆっくりコーヒーでも飲みたいもの。で、気楽に買ってみたのですが、すごく良いですね。何でもっと早く買わなかったのかと後悔するレベルで。特に電気ケトル。当然、コーヒー紅茶も良いのですが、白湯をたくさん飲めるのが良いです。白湯はいいですよ、カロリーゼロだし。もしかしたら小さなレトルト物なら温められるのではないかなぁ。唯一欠点はステンレスの表面にワタシが映り込んでしまいSNSに食卓写真を上げにくくなったことくらいでしょうか。

③タイパンツ(マーライ・赤)

 家ではゆったりしてたいけどジャージやスウェットはちょっとねという諸姉におススメ。もともとワタシは自分でタイパンツ縫ってたのですが、物によっては生地買って縫うより安く売っているんでぽちりました。アマゾンで買ったものは織り柄あってさらさらとしてて縫製も悪くない。サイズがたっぷりなので、上手に着付けるとロングスカート風になったりサルエルパンツ風になったりで楽しいです。なのにタイパンツの特性を理解しないで星を低くつけてるレビュワー多くて気の毒で。食べログと並んでアマゾンレビューはあてにならないなあと思いました。(逆に星の低いレビュー読んで食べに行ったり買ったりする気になるわけですが)

④メイクボックス(ニトリ コスメオーガナイザー?)

 ワタシね、化粧あまりうまくないんですよ。ちゃんと塗るとだいぶマシになるのは分かっているのですが。そんな風に苦手意識が先に立つとメイク道具類の扱いも雑になるわけでして。細長いカトラリーボックスに一切合切入れて、毎朝出勤前にガラガラ底までさらってました。が、これはあまりに不合理だし気分も上がらない。で、ニトリのメイクボックス買いましたよ。ボックスというか整理トレー。ブランド的には上がる要素ないのですが、毎朝使うもののアクセスが段違いに良くなったので買ってよかった。今検索すると同じものが見つからないです。ので、商品名分からないですすみません。透明アクリルで清潔感あるのは良いところなんですが、やっぱりちょっと安っぽい。似たような構造で木製か布張りのがあるといいなーと検索しているところです。化粧入れる箱をヴァニティーボックスといいますが、「虚栄の箱」というよりは社会的に求められる身だしなみを合理的に行うための箱、というカンジですね、ワタシの場合。

番外 食事のデリバリー(洋食テンカウント ミックス定食)

デリバリーをお皿に盛りなおしてインスタントのお味噌汁付けたとこ 割とちゃんとしてません!?

 お片付けしてるとですね、なんか料理したくなくなるのですよ。それは手がホコリっぽくなるせいなのか、脳ミソの機能の問題なのかは分からないのですが。仕事してない時は8割くらい食べ物のことを考えている人間だったとは思えません。ステイホーム初期は食材まとめ買いしては作り切れなくて無駄にしてしまいました。なんか雰囲気殺伐としている上に欠品の多いスーパーに行くこと自体が嫌になってましたし。そんなところにお安いフードデリバリー出現。ツイッターで何かの拍子に回ってきたのを見かけたのですが、中野区内なら配送料無料というのに惹かれまして(今は配達料あります)。あと、試しに取ってみたらボリューム凄かった。さらに取り続けていくうちに味の改良がされていくのも手に取るように分かりまして。これはいいぞとリピートかけてます。そもそも一人分千円切るデリバリーって難しいんですよ。すかいらーくグループのラークルも安いのですが、最低金額1500円なので2人前をまとめて頼まねばなりません。テンカウントさんは、こってりたっぷりの男飯ですが、定食が880円なら納得します。本業はラーメン屋さんということなのでいつまで続く業態か分かりませんが、ステイホーム中はかなりお世話になってますし、ワタシの冷蔵庫のフードロス削減に貢献してくれてます。