レズバーはいつ行くべきか

 ワタシは大学卒業してほどなくレズビアン向けのクラブイベントに行ったのがいわゆるレズビアンコミュニティにつながったことはじめ。それからレズビアンバーなどにも行きはじめ、あまり出歩かなかった期間もあるがずっと首都圏レズビアンシーンの夜の部に魅惑され続けている。

 そして、いわゆる真面目な「アクティビズム」は記録されるが、夜の街の密やかな歴史が消えていくことに危機感持っていた。いわゆる活動系のレズビアンはナイトシーンを記録しようとしなかった。それにワタシよりも年上のお姉さんたちがオープンしたバーがぽつぽつと消えていっている時期でもありましたから。そんなこんなで作り始めたのが「東京レズビアンバーガイド」シリーズの同人誌。これはまだ継続しているプロジェクトなので、ちょっと残部が売れたらいいなぁという気持ちもあって、1本だけ雑文を収録します。以下お読みください。

まだ在庫あるので買って欲しいですー 手売りだけですけど

レズバーいつ行くの? いますぐ!

ワタシは嘘がつけないタチで
 二丁目レズバーの同人誌を書いていることが知れ渡ると、よく言われることがあります。「今度連れて行ってください」と「もうおばちゃんだけど、行ってもいいかしら」がツートップ。前者については前号で触れましたが(結論:ひとりで行け)後者については「えー、全然~、そんなの~、大丈夫ですよ~❤」待ちなので割ととてもかなり面倒くさい。
 正直、レズビアンバーでの恋愛メイン年代はせいぜい35歳まで、よほど若く見えてもアラフォーまでなので40過ぎたら苦戦が見込まれます。めくるめく色恋を期待してるなら全然大丈夫じゃない。「今すぐあきらめな!」というのが本音。ワタシは嘘がつけないタチなので。いやネコなんだけど。(だまれ)
 中には20代後半で「もうおばちゃんだけど」とか言う小娘もいますがケンカ売ってんのか。横っ面ひっぱたいてやりたい。(アラフィフの徳の低い本音)20代後半とか一番いいので、今すぐ新しいパンツをはいて行って欲しい。

レズバーに何を期待してるのか
 半分人生相談みたいな感じで「ずっと行ってみたいと思っているうちにいつのまにか50代になってしまいました」とか言われると本当に重い。とはいえ、そういう人生を選んだのは自分なので何とも言いようがない。ただ、レズバーに期待しているものが色恋でないなら苦戦とか考えなくてもいい。ワタシが二丁目に通うのはもう昔みたいに夜の恋を探してのことではない。自分を育ててくれたレズビアンのバーシーンに対する愛着、それを何とか消える前に記録しておきたいという執念あってのことだ。ただ、女性たちが憂いなく夜を楽しんでいるのを見るのは楽しいし、こんな夜がずっと続くといいねと祈りたくなる。時によると、なにか神聖な気分にすらなる。
 そんな風に一歩引いた「主役の人たちを見守るわき役」として過ごせるのなら何歳だろうと遅いということは絶対ない。
レズバーが舞台なら
 レズビアンバーが舞台なら、主役はやはり恋をしている女の子たちだろう。だけど、わき役であるところのオバサン達にも人生があるし、ドラマはやっぱりある。恋に出会わなくても友情は生まれるし、友愛もまた尊いものだ。
 あなたがレズビアンバーに入店できる要件を満たし、かつ行ってみたいと思っているのなら、万障繰り合わせて出かけることを検討してほしい。何であろうとバーシーンは若くて体力あるうちの方が楽しめる。もうホントに、今すぐ、今週末にでも、出かけるべきです!
(2018年12月31日刊行「東京レズビアンバーガイド3杯目」より)

 同人誌というメディアなので割とマイルドに書いてますが、レズビアンコミュニティは恋愛を基盤にした集団なので、人の美醜や年齢にはわりと冷酷な所があります。「差別される人がさらに差別するなんてひどい!」という人もいますが。いや、オメー何言ってんの? とワタシは思ってしまうクチ。そういうこと言う人が性愛の対象でも美醜も年齢もまったく気にしないというなら「左様ですか」と思わなくもないのですが、大体は自分のことは高く高く棚上げして相手には高いレベル求めてたりするんですよ。まあ、冷酷なのが正しいとは思いませんけど。

 なので、わりと年行ってからデビューしようと思ってる人はあまり期待しない方がいいと思います。(若い頃に事務所に所属してたクラスの美人とか除く)ワタシなんて、同年代で貧乏でもちゃんと働いてて容姿レベルと脳ミソレベルが自分と同じくらいの人、と割と控えめな条件でも全然マッチングしませんもん。現時点ではレズビアンは年取ると(恋愛的には)苦戦しますよ。マジ、思い立ったら老いも若きもすぐに行った方が良いです。ホントに。